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インドの秘境 アジャンター・エローラへ

これぞ世界文化遺産!
エローラ石窟遺跡群を訪ねる。

インドの世界文化遺産といえば、タージ・マハル。しかし、中央部のデカン高原に位置する石窟寺院群・エローラとアジャンターも見逃せません。日本からはなかなか行けない場所ではありますが、実はその名が高校生の世界史の教科書に登場するほど、有名な遺跡なのです。

インド有数の経済都市・ムンバイから350キロ、ムガール帝国ゆかりの古都アウランガーバードが、遺跡群への基地となります。この街から更にバスで一時間ほど移動すると、ようやくエローラ遺跡へ到着です。筆者は個人旅行で訪れたのですが、日程が限られている人は、ツアーを利用すると効率的でしょう。遺跡へ向かう際のデカン高原の絶景は、日本にはない雄大さを感じさせてくれます。

エローラは、最大のカイラーサナータ寺院(第16窟)を中心とした、石窟の集合遺跡です。第1〜12窟が仏教、第13〜29窟がヒンドゥー教、第30〜34窟がジャイナ教に属しており、それぞれ5〜7世紀、8〜9世紀、9〜10世紀以降に開削されたものとなっています。

時間が許せば、第1窟から第16窟までゆっくりと歩き回ってみましょう。周辺は遺跡公園として整備されており、絵ハガキやインド雑貨を売る怪しいお兄さんたちをあしらいつつも、快適に歩くことができます。
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奇跡の大彫刻・カイラーサナータ寺院。
人類の奇跡を体感。

エローラ遺跡群のハイライトが、中心部に鎮座するカイラーサナータ寺院です。これは8世紀に土地のヒンドゥー君主の命により、チベットの聖山カイラスを模して建てられた、小学校の体育館ほどの大きさの建造物です。

驚くべきは、この寺院がすべて山面の花崗岩を切り出した、一個の彫刻である点でしょう。寺院の建物それ自体はもちろん、周辺の塔や石の象たち、壁面の細微なレリーフや中心部の巨大なシヴァ・リンガに到るまで、たった一枚の岩からできているという事実は、実際に目にしてみてもなかなか信じられません。この寺院の建造には、7000人の石工と100年以上の歳月が費やされたと言われます。まさにインドのパワーの結晶、世界文化遺産の名に恥じない大遺跡だと言えるでしょう。

いっぽうで、周辺の石窟群も見逃せません。独特な優美さと繊細さを併せ持つジャイナ教石窟や、原始仏教の洞窟式の礼拝堂、日本のお寺の仏様からは想像もつかないグラマーな女性姿の仏像など、思わぬところに多くの発見が隠れています。石窟内部には、外界から隔絶されたひんやりした空気とコウモリのフンの臭いで、独特の雰囲気が漂います。インド旅行の昼下がり、一人でじっくりエローラ遺跡を探検してみるのもいいかもしれませんよ。
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古代からのタイムマシン!?
豪華絢爛・アジャンターの壁画たち。

アウランガーバードから100キロほど離れた森林地帯には、もうひとつの世界遺産・アジャンター石窟遺跡群があります。石窟と彫刻がメインのエローラに対し、アジャンターの特徴は6〜7世紀に描かれたとされる、洞窟壁面の美しい壁画たち。また、こちらは寺院の30窟すべてが仏教系であることも、エローラとの相違点です。

アジャンター壁画の多くは典型的なグプタ様式に基づき、ブッダの転生物語(ジャータカ)を中心に、さまざまな人物や動物たちが描かれています。洞窟の壁の中で繰り広げられる古代の宮廷生活。食事などの日常風景は、当時の人々の様子をありのままに伝えてくれます。女性の服装や宮殿の装飾など、この壁画を通してしか知ることのできない情報も数多く含まれており、一見の価値があるでしょう。アジャンター第1窟の蓮華手菩薩像は、法隆寺の金堂壁画のルーツとして、日本でも非常に有名です。

アジャンターは、遺跡へ到るまでの道路や停留所、シャトルバスなどが非常に整備されています。これは、国際協力銀行を通じた日本からの援助によるもの。ピカピカのバスや停留所近くの土産物エリアは、インドの大地には不釣りあいに思えるほどですが、排気ガスの抑制や雇用確保など、これらが地域社会と遺跡の保全に対して果たす役割は非常に大きいようです。

デカン高原の真ん中にありながら、なにかと日本とのつながりも深いアジャンター遺跡。旅の日程に、ぜひとも組み入れてみてはいかがでしょうか。
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