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必見!中国ニュー・リッチ層の解体新書 

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市民の20人に1人がベンチャー運営
上海ドリームを目指して

日々躍進を続ける中国経済の中心地。それは何と言っても上海です。しかし、この街の富裕層に、生粋(きっすい)の上海っ子がほとんどいないことはあまり知られていません。上海経済の中心は、いわゆる「外地人(ワイディーレン)」――中国の他の地方からやって来た人々で多くを占められているのです。

そもそも、大都市としての上海の歴史は、南京条約による対外開港以来、たった160年ほどでしかありません。また、戦前に成立した大財閥や銀行の多くは、中華人民共和国の成立によって香港や海外へ逃れたり、政府による改組を受けたりしているため、現在の上海に「先祖代々の大富豪」はほとんどいないと言っていいでしょう。富裕層に属していても、自分自身かその両親が一代にして富を築き上げたケースが圧倒的に多いのです。彼らの中には近隣の浙江や江蘇の出身者もいますが、華北地方や内陸からはるばるやって来た人も少なくありません。ある程度の学歴や経済的余裕のある人々にとって、上海は、成功へのチャンスがいたるところに転がる夢の街なのです。

明日から一旗挙げたい「勝ち組」志望者の間で、注目業種ナンバーワンはIT分野。技術習得が比較的容易なことに加え、少ない元手(もとで)で企業し、かつ上手くいけば大成功が見込める――これが人気の秘密です。いまや中国オンラインゲーム業界最大手に成長したITベンチャー・SNDA(上海盛大網絡)などは、まさに「上海ドリーム」を体現した存在と言えるでしょう。そんなパイオニアたちを目標に、新たな夢を描く人々が、今日も中国各地からこの街を目指してやって来るのです――。

参考:茨城県上海事務所 上海経済データ
写真提供:Hello World!!
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見事「爆發戸」に登り詰めると……
中国の人々の消費意識を解剖

「爆發戸(バオファーフー)」。なにやら漢字を見るとガス漏れ事故とカン違いしてしまいそうですが、これは一代で「ブレイク」して、一気に大金持ちに上り詰めた人々を指す言葉。よく言って「ニュー・リッチ」、悪く言えば「成金」に相当します。チャンスに溢れる上海や移民都市の広東省深センなどでは、この種の人たちが日々誕生中。そんな彼らの消費行動について、例を出しつつ説明してゆきましょう。

――仮に、100万円の臨時収入があるとします。

このお金について、例えば80万円を銀行への貯蓄ローン返済、残り20万円を消費に回すのが、一般的な日本人の使いかたではないでしょうか。よほど現代的なベンチャー気質を持っている人以外、まだまだ堅実で保守的な消費行動が多いと思われます。また、この20万円に関しても、例えば食事に●万円、DVDプレーヤーを買い換えて●万円、スーツを新調して●●万円……というように、現在の生活全般にわたるボトムアップを見込んだ分散型の消費がなされることでしょう。

しかし、ここで70〜80万円を大規模な消費に突っ込み、残り数十万円でを買ってしまうことすらあり得るのが、中国の新興富裕階層であると言えます。また、消費傾向としては、生活水準全体を引き上げることよりも、一点豪華主義に走りがち。消費の対象は「見せ金」になる高級携帯電話や自動車に人気が集中しています。中国の沿海都市でしばしば見られる、月収2,000〜4,000元(3〜6万円)程度の一般的ホワイトカラー層の多くが、なぜか日本円で10万円近くする携帯電話を所有しているという奇妙な現象は、彼らの消費志向の産物なのです。

中国ビジネスの鍵のひとつは、彼ら「爆發戸」の消費意欲を刺激することにあるでしょう。

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究極の「見せ金」を求めて
不動産購入の狂騒曲

一点豪華主義と投資気質。そんな中国の新興富裕層が熱中しているのは、不動産の購入です。いまや、上海や深センといった沿海都市の不動産価格は、とどまるところを知りません。上海市の一般企業大卒初任給が1,000元(1万5,000円)程度、大手銀行の社員ですら2,000〜3,000元前後であるにも関わらず、市内中心部には、なんと1億3,000万元(19億5,000万円)のマンションまで出現しています(これらは「天価房(ティエンジャーファン)」と呼ばれ、さすがに中国国内でも批判の声が出始めています)。かつて日本においても、東京の地価だけでアメリカ全土が買えると言われた狂乱の時代がありましたが、それを地で行く現象が展開しているようです。

高級マンションがそびえ立つかたわらで、エリートビジネスマンたちが闊歩する金融の街――。上海の陸家嘴はそんな場所です。前述の「天価房」もこの街に位置しており、これらの住居は要塞のような防犯設備で守られています。一代にして財を築いた「爆發戸」といえども、この場所に住める人々は、芸能人や実業家などごく少数。まさに、勝ち組のための住居と言えるでしょう。また陸家嘴ほどではありませんが、明王朝時代の大学士・徐光啓ゆかりの街である
徐家匯も、上海では有名な高級住宅街です。

「天価房」を買うまでには至らなくとも、中産階級以上の中国人の多くは、不動産の購入にかなり意欲的であるとされます。日本のダイワハウスなどは、中国の沿海都市における高級マンション分譲を開始しつつありますが、これらは現地の人々のニーズにも合致したものであると言ってよいでしょう。

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中国の別荘

別荘を買って、休暇に海外へ
中国富裕層のお金の使いかた

「爆發戸」の間では、郊外に別荘を購入することも大ブームになっています。人気別荘紹介サイトである<中国別墅網>を開いてみると、信じられないほどゴージャスなお屋敷の数々が、画面狭しと目に飛び込んで来ることでしょう(写真)。彼らに人気の別荘は西洋風の洋館が多いのですが、漢民族の伝統を踏襲した、王朝時代の邸宅のような様式も根強い支持を集めています。これらの価格は、大体100万元(1,500万円)くらいからありますが、日本円にして2,000〜3,000万円相当の物件が購入対象の中心になっているようです。また、1ヶ月あたり1万元(15万円)程度でのレンタル別荘にも人気が集まっています。

いっぽうで、ゴールデンウィークや「国慶節」(10月の建国記念日の連休)を利用した海外旅行にも、多くの人々が関心を持っています。都市部中産階級層は、香港やタイ・ベトナムなどの東南アジア旅行を、さらにリッチな「勝ち組」たちは、ヨーロッパへの旅行を目指します。中国人が日本や欧米諸国へ渡航するには、かなり厳格なビザ審査が行なわれるのですが、彼らにとっては平気なもの。むしろ、自身が「出国できる」階層に属していることを誇るような気質すらあります。

不動産・別荘・海外旅行……。なにやら、以前にどこかで聞いたようなフレーズです。現代中国は、やはりバブル経済の真っ只中にあるのかもしれません。
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