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食うか食われるか クマと戦う

クマ大進撃! ついには死者も
環境省は異例の対応

クマでひと騒動の日本であった。平成クマ戦争と呼ばれ、全国でクマに襲われる事件が多発した。

嫁の実家のある富山県ではクマが出る。都市部の人には馴染みがないだろうが、クマが出ると市の広報車が注意を呼びかけるし、回覧板にもクマ情報が入る。人が襲われることもままあるのだが、ほとんどの場合、山の中で山菜採りや渓流釣りの最中だ。人里に下りてきても、人が襲われることはまずなかった。2006年は富山県入善町舟見では路上でツキノワグマに男性が襲われ、死亡した。農協の前で犬を散歩させている最中だったそうだから、これはかなり珍しい。

クマは柿を狙って下りてくることが多いので、柿の実をとったり木の幹にトタン板を巻いたりと対策がとられた。これで一安心と思ったら、蜃気楼で有名な魚津市ではりんごがクマに食べられたり、鶏舎が襲われ、150羽も鶏が食べられたりと散々だ。

どうも山で樫の実やしいの実が不作だったらしい。食べるものがなく、人家まで下りて来ていたようだ。

2006年はクマの捕獲頭数は過去最多の3700頭を超え、環境省では同省として初めてクマ類出没対応マニュアルをホームページで公開、注意を呼びかけている。

【関連リンク】
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俺の後ろに立つんじゃない 逃げたら追いかけてくるクマの本能

俺の後ろに立つんじゃない
逃げたら追いかけてくるクマの本能

そろそろ冬眠に入って一安心(クマの冬眠は12月から4月とされる)と思われるが、12月に入ってからも14日に京都府京丹後市で住宅地にクマが現れ、老女が顔を引っかかれる大怪我をした。油断できない。そもそもクマの冬眠はリスなど他の哺乳類の冬眠とは異なり、途中で目覚めて餌を取りに出たりする。出産も冬眠中に行うので、春は子連れクマが多い。子連れ動物が危険なのはクマも一緒だ。しかも冬眠から目覚めたばかりで空腹だ。

村上春樹のノルウェイの森には、「春のクマくらい好きだよ」とセリフがあったが、実際には春のクマも大変に危険なのだ。クローバーの斜面を一緒に転がって遊んだら、腹を減らしたクマに頭を齧られる。

クマには遭わないようにするのが一番。山歩きの際にはクマ鈴を持っていく。クマは音に驚いて近づかないそうだ。クマ情報サイトのアウトバックではクマ鈴が紹介されている。シャリンシャリン鳴ればいいようで、岩手県の祭りのちゃぐちゃぐ馬子で使われる鈴をアレンジしたものもある。

遭ってしまったら、絶対に背中を見せてはいけない。本能的に襲ってくるのだそうだ。しかもクマは時速40kmで襲い掛かってくる。逃げられるものではない。その場で立って動かず、クマをにらみつけ、ウォーッと声を出す。クマの方に逃げていただくわけだ。またヘビを嫌うので、ベルトをはずし、振り回してもいいらしい。死んだ真似をすると、オモチャにされて本当に死んでしまうので注意だ。

クマ撃退スプレー「カウンターアソールト」というものもある。唐辛子の入った液体をスプレーし、クマを追いやるのだ。結構、強烈なようである。それでもダメな時は最終手段としてナタで切りつけるのだそうだ。普通の人には無理だろうと思う。

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殺さずに追い払う知恵を
過剰な殺傷が個体数減に

畑は電気柵を使って守る。数千ボルトの電流が流れる3段の柵で囲ってしまうのだ。クマのプーさんではないが、クマは蜂蜜が大好き。それだけに養蜂家の被害も大きい。クマが巣箱を壊してしまうのだ。これも電気柵で囲うことで被害を予防する。

犬を使ってクマを寄せ付けない方法もある。NPO法人ピッキオでは、日本で初めてベアドック=クマ対策犬の飼育を行っている。ベアドックは<フィンランドとロシアの国境地帯にあるカレリア地方原産の犬>のカレリア犬を使う。元々はヒグマ向けの狩猟犬だが、クマを殺さずに、追いやったりその場で足留めたりするように訓練される。

クマは銃殺による駆除することが多いものの、過剰な駆除は生態系に影響を与える。絶滅してからでは遅いのだ。そこで駆除ではなく排除の方向でクマを調査する。人里に下りてきたクマは捕獲し、山の奥に放す「奥山放獣」も検討されている。この際、スプレー等でクマを怯えさせ、人間への恐怖を植えつける。

狩猟者が参加する大日本猟友会でも、都道府県からの依頼で銃殺する場合が多く、勝手にクマを撃つことはあまりないそうだ。小クマは捕獲し、山に返すという。人間の勝手ではあるが、野生との共存はなかなかに難しい。

【関連リンク】
・過剰な駆除 
大日本猟友会 
殺さずに追い払う知恵を 過剰な殺傷が個体数減に