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大人だから「和服あそび」を気軽に楽しむ 

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おとな男の和服あそび
男のきもの えいたろう屋

男も三十路を越えて中年に差し掛かると、そろそろ大人の趣味が欲しくなる。車やバイク、釣りやキャンプといったアウトドア系のホビーもいいが、どうせなら大人ならではの、少年時代や青年時代には理解できなかった侘び寂びの世界に踏み込んでみるのはどうだろうか。

そこで今回は、周りとちょっと差がつく大人の趣味「和服」の楽しみ方について、着物の本場京都の烏丸三条にある男のきもの専門店「えいたろう屋」さんにお伺いしてきた。

和服。それは一般的な男性には禁断のファッション聖域である。日本の伝統的な衣裳であるにも関わらず、一生の内でほとんど着る機会が無い。浴衣くらいは着たことがあっても、普通の着物は袖も通したことがないという方が大半だろう。着方が分らない、値段が高そう、どこに着て行けばいいのか分らない……。

着物初心者が抱く数々の疑問。だけど実際の「和服あそび」はそんなに敷居の高いものじゃないと、えいたろう屋の張田美穂さんは語る。
男のきもの えいたろう屋
男のきもの えいたろう屋

呉服屋はブラックホール?
和服をウインドウショッピングする

「呉服屋さんのお店って、独特の威圧感があるでしょ? 一歩入ったら、二度と出てこれなくなるような……」
と、えいたろう屋の張田さんは微笑む。

「そういう店構えも着物ツウの人にとっては必要なステータスの一つだとは思いますけれど、和服初心者の方にとっては、やっぱり怖いですよねえ」
着物を着てみたいと思っても、まずその入口で尻込みしてしまう人は多い。
「うちは初心者大歓迎。洋服のショップと同じ感覚で、ふらりと立ち寄って下さるお客様が多いんです」

京都の繁華街でも最近注目度の高い烏丸三条界隈。スターバックススコーヒーの横にある大正モダンな建物、文椿ビルヂングの1階にある「男のきもの えいたろう屋」は、二年前に張田さんのお兄さん、張田靖典氏がオープンしたお店。もともと実家が神官装束などを扱う老舗問屋である影響もあり「日本人なんだから、日本文化をもっと知って欲しい」という思いで創った店だから、呉服屋の小売店舗とは異なり、初心者でも気負いなくウインドウショッピング感覚で訪れることができる、ゆったりとした雰囲気が流れている。

スーツより安いオーダーメイド
そこから始まる和の世界

初心者でも入りやすい店構えとはいえ、そこはやはり着物屋さん。置いている物は、初心者では手の出しにくいお値段じゃないの?……と、思いきや、値札をこっそり見てみると、思っていたより随分お安い。

「初心者の方におすすめしている木綿の着物なら、帯やその他諸々まで含めても五万円で揃いますよ」
でも、着物は洋服と違ってオーダーメイド。自分の体型に合わせるから仕立代が高くつくと思っていたのだが……「お仕立て代も込みです」

驚いた。それなら下手なスーツを買うよりも安いじゃないか。着物といえば、正絹で、生地だけで数十万円、数百万円というイメージを持っていたが、張田さんいわく、和服を着慣れないうちは、高価な着物はお勧めしないとのこと。着物に着られてしまって楽しめないし、着物の良さが深く伝わらないのだそうだ。この話を聞いて、「着物は高価なもの」という思い込みが払拭された。

「えいたろう屋」のコンセプトは、まず着物の着ごこちを体験して、和服の世界に触れてもらうことが大切。そこから徐々に和服あそびの楽しさを知ってもらいたいというものらしい。凝り始めると生地だけじゃなく、羽織の紐一つ、下駄の鼻緒に至るまで奥が深い和服の世界。ちなみに「えいたろう屋」には越中ふんどしまで揃っている。はじめから勢い込んで飛ばす必要はないのだ。
男のきもの えいたろう屋
男のきもの えいたろう屋

観光ついでに京都を満喫
「きもの」を覚えて帰ろう

それでもやっぱり敷居の高い着物の世界。一番の問題は、「着付け」かも知れない。年配の女性でも着付けができない人が多い現代社会。親に教えてもらおうにも、その親自身が着れないのだから仕方がない。女性ならば、着付け教室に通って習得することもできるが、男がそこに通うのも気がひける。何より、大層だ。

で、結局、洋服になる。
「着物の着付けは、一度覚えたらそんなに忘れるものじゃありません。とくに男性は帯の結び方も女性に比べると簡単。すぐに覚えられます。着付けや着こなし方もレクチャーしますよ」
売るだけ売って、ハイさようなら、ではない。一旦「えいたろう屋」の門をくぐったら、購入した、しないにかかわらず、格好いい着こなしで帰ってもらいたいというのが、張田さんのこだわり。

最終的には、着慣れることで格好よく着れるようになり、そうなると更に和服への興味が深まる。そんな「えいたろう屋」には、観光ついでに立ち寄って、そのままリピーターになった人も少なくないという。中にはフランス人のお得意様もいて、わざわざ「えいたろう屋」を目指して海を渡ってくるのだとか。
もちろん、そのパリジャンも着物初心者だったそうだ。
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