|
|
安心で安全な近大マグロ 勝ち組に許された至福のひととき |
|
電気を通した竿で生け簀から釣り上げるとはいえ、間近で見るマグロの一本釣りはド迫力だ。この日は蓄養マグロの出荷もあり、100kg近い魚体が次々に釣り上げられ、すぐに臓物を処理されて、巨大なトロ箱に収められていく。 しかし、それを見ていて微かな疑問が沸いた。マグロは大海を旅する回遊魚。生け簀でストレスは溜まらないのだろうか? 「マグロの生け簀は、通常の養殖の5分の1程度の密度で、出来るだけストレスがかからないように育てています」 大久保氏はさらに、完全養殖の利点が安全性にあることを言及する。海洋食物連鎖の頂点に存在するマグロは、世界各地を回遊する間に水銀などの有害物質を蓄積しやすい。しかも地中海産のマグロにいたっては、わずか12gで許容摂取量を超過するダイオキシンが検出されているという。その点、完全養殖の近大マグロは出処も明確で、安全で安心というわけだ。
近大マグロは現在、近鉄百貨店(和歌山・奈良・阿倍野)、阪急オアシス(桃山台・北花田)などの店舗で、週末に店頭に並ぶ。関東でも三越日本橋店で第一金曜日に売りに出されているが、即完売するほどの人気ぶりだとか。
完全養殖が世界的に普及すると、もっと安価で大量にマグロが食べられるのでは? そんな質問に氏は苦笑いでこう答えた。 「マグロ一匹を成魚まで育てる餌代が莫大ですからね。安全で安心できる魚を安定して供給は出来ても、金額的にはそう簡単にはいきませんねえ」 まだしばらくの間は、大トロは勝ち組の食卓にのみ並ぶ状況が続きそうだ。
取材協力: 株式会社アーマリン近大 |
|
|