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蜂蜜酒にバラの酒 これからの酒は“甘い” 

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梅酒ブーム到来!
焼酎の次は梅酒に注目

 梅酒だらけの世の中だ。新宿に飲みに行ったら、梅酒専門居酒屋があった。ハードリカーが敬遠される昨今である。度数が手ごろで甘くて飲みやすい梅酒が人気、というのはわからなくもない。
 しかし梅酒なんて家で作るものじゃないのか? 居酒屋を名乗っても、どうせあるのはチョーヤの梅酒、なんて思った自分は浅はかだった。

 プラムガーデン梅椿 新宿靖国通り店に揃った梅酒は実に100種類を越えるという。角玉梅酒にアロマ梅酒、にごり梅酒、あるわあるわ梅酒にこんなに種類があったとは知らなかった。

 角玉梅酒は焼酎の名蔵「佐多宗二商店」(「晴耕雨読」で有名)の逸品で、<美味滋養の言葉と共に1958(昭和33年)日本で最初に米国に輸出>(同社HP)した由緒ある梅酒。
 アロマ梅酒は山元酒造の製品、<まろやかで飽きのこない、すっきりしたフルティーな味わい>(同社HP)だそうだ。
 にごり梅酒は梅の果肉を入れた梅酒で、黄色く濁っている。本家松浦酒造場のにごり梅酒は、果肉が固く、梅酒に最適とされる鶯宿梅を使い、果肉を17%も含んでいる。

 酒屋に行くとこちらも梅酒フェアをやっていた。焼酎メーカーが作る梅酒がずらりと並んでいた。梅酒は普通ホワイトリカーで漬けるが、焼酎で漬けると風味が段違いだ。だから自分の家でも梅は焼酎で漬けているが、最近は焼酎メーカー自らが作っているらしい。

 焼酎メーカーの栄光酒造が出している「蔵元の梅酒」を飲んでみた。日本酒のようにコップ酒の容器に入っていた(瓶タイプもある)。
 梅酒というと女性のイメージだが、男前だなと思いつつ飲むと驚くほどキレがいい。甘すぎて食べ物とは合わないのが普通の梅酒だが、これは違った。甘みは抑えられ、ドライで舌が重くならない。ワインや日本酒のような食中酒としても十分に使えるし、男の自分がぐいぐい飲めた。

梅酒ブーム到来!焼酎の次は梅酒に注目
手作りできる蜂蜜の酒 クレオパトラも飲んだミードとは?

手作りできる蜂蜜の酒
クレオパトラも飲んだミードとは?

 甘い酒といえば、気になっていたのがミードだ。蜂蜜から作る酒だという。

 ミードの輸入販売を行っている蜂蜜専門店ミール・ミィのホームページを読んでみる。それによると、ミードは蜂蜜を水で薄めて酵母を加えたもの。酒はぶどうや米のように糖分を含むものを酵母によって発酵させてアルコールに変成させる。糖分があればいいわけで、蜂蜜の酒があるのは当たり前。

 現在もミードは世界中で飲まれている。アメリカなどではミード愛好家はミードラバーと呼ばれ、自家製を楽しむ。DIY専門のオンラインショップ「アウベルクラフト」手作りミードキットを見ると、作り方はいたって簡単。

 蜂蜜と水(蜂蜜は糖度が高すぎるため、酵母が発酵できないので薄める必要があるのだそうだ)と香辛料(入れなくてもいいらしい)と酵母を混ぜておくと発酵してミードができる。簡単だから歴史も長い。5000年以上前のインドや紀元前のギリシャ、ローマ時代にはクレオパトラも愛飲したとの記録があるという。

 蜂蜜が原料ではあるが、その味は多種多様だ。薬草を加えたり、香辛料を調整することで風味や味が大きく変わる。作り方は簡単だが奥深い。それゆえ世界には数多くのブランドがある。自家製とメーカー製が立ち並び、味に個性があるというあたり、梅酒とよく似ている。

 日本では馴染みのなかったミードも、ようやく国内で作られ始めた。高知県の菊水酒造がつくる「シークレット・オブ・クレオパトラ」がそれ。ネットならいろいろな店で手に入るが、世界の酒ビッグエースというところで買ってみた。本体1048円に税金と送料がつく。

 味はといえば、蜂蜜フレーバーの白ワインというか、さっぱりと飲みやすくあっさり甘い。香りは強烈に蜂蜜で、体に良さそうな感じがする。アルコール分は11%程度、ワインと同じだ。飲み始めたらハマった。おいしいじゃないの!

果実を日本酒に漬け込む?
新しい日本酒の味

 初めてフランスに行った時、ハマったのがシードルだ。向こうのクレープは甘いのだけじゃなくてしょっぱいのもあって、お昼とか朝ごはんに食べる。

 日本にもぼちぼち専門店が出来ているけれど、そば粉のガレットだ。これを食べる時はシードルだというので頼むと、茶わんに入って出てきた。アルコール入りのりんごの炭酸ジュースといった印象だが、味はとてもシャープ。シャンパン方式のコルクを抜くと、新鮮なりんごの香りがする。

 りんごから酒を造る発想は日本の酒文化にはなかったが(りんごの栽培が日本で始まったのは1875年、明治になってからのことだ)、酒屋の棚に亀田屋酒造店「信州夢想・りんご酒」を見つけた。他に梅酒としそ酒とブルーベリー酒がある。
 長野県の特産品でお酒を作ろうということらしい。シードルはりんご自体を発酵させるが、信州夢想はなんと日本酒にりんごを漬け込んで作るのだそうだ。だから味は日本酒。ところが日本酒にりんごの香りと甘み、酸味が加わるとまるで別物に変わる。日本酒が苦手な人でもするりと飲めるさわやかさだ。

 日本酒をベースに果実を加えたリキュールは、ここ数年、数を増やしている。焼酎ではなく日本酒で梅を漬けた純米梅酒が各社から発売されているし、ゆずを使った梅乃宿酒造の「ゆず酒」、桃を日本酒に絞り込んだ「ももちま」、一宮酒造はバラを日本酒に漬け込んだバラの香りの赤い日本酒「イヴレス・ロゼ」を販売している。

果実を日本酒に漬け込む?新しい日本酒の味
ぷちぷちする発泡感覚 日本酒の泡立つ姿

ぷちぷちする発泡感覚
日本酒の泡立つ姿

 料飲専門家団体連合会のデータによると、日本酒の消費量は昭和48年をピークに下がり続け、現在は当時の約40%まで落ち込んでいる。盛り返すにはメインの中高年男性以外に女性や若者を取り込む必要がある。そこでこうした果実+日本酒が登場したわけだ。

 女性の間で人気が出ているのが発泡日本酒だ。発酵過程で発生する炭酸ガスをそのまま封じ込めるか、もしくは後で日本酒に炭酸ガスを封入すると、シャンパンのように発泡する日本酒が出来上がる。
 その先駆けとなった梅乃宿酒造「月うさぎ」は、度数が7%程度と低く、にごり酒の甘みと酸味がある。炭酸の刺激はまさに日本のシャンパン、日本酒特有の匂いもない。女性に人気が高いのもわかる。

 現在、多くの蔵元が発泡日本酒を販売しており、専門サイトも立ち上がっている
 近くの酒屋でも末廣酒造の「ぷちぷち」が売られていた。
 微発泡性でビールと同量の330ml瓶に入っているが、デザインはすっきりと日本酒らしい。底に白く澱がたまっている。封を開けるとシュッと炭酸が抜ける音、ひと口飲むと強い炭酸はまるでビールだ。
 味は複雑だ。口当たりはシンプルなのに、甘みとコクが層をなし、日本酒らしさがしっかりある。アルコール度数は7〜8度なのでビールよりも強く、味の厚さとあいまってゆっくり楽しめる酒だ。

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