日刊 勝ち組スポーツ・勝ちスポ!

ご当地名物「ゆるキャラ」を探せ!

とりモー

インパクト勝負のユルいヤツ?
全国のゆるキャラをたずねて。

 しかし、ひこにゃんのような大人気キャラだけが、ゆるキャラではありません。
 いや、「ちょダサ」で「トホホ」なデザインと、ちょっとビミョーな存在感こそが、ゆるキャラが本来(?)あるべき姿。
 全国区で知名度を獲得し、東京のデパートで開かれるイベントでも大勢のファンを集める国民的アイドル・ひこにゃんは、むしろ例外なのです。

 彼はいうなれば「ミリオンヒットを飛ばして紅白に出ちゃったインディーズバンド」のようなモノ。
 地域の自治体によって人知れず生みだされ、地元住民の意識の中で限りなくアイマイなヤツとして存在する「ゆるキャラ」のなかでは、異端児であるといってよいでしょう。

 ゆるキャラの王道は、たとえば2006年兵庫国体のキャラクター「はばタン」や、ゆるキャラカップで優勝した実績をほこる、第9回全国和牛能力共進会鳥取県実行委員会の「とりモー」などの連中ではないでしょうか。

 ほかにも、JA全農広島の「い〜ねくん」や、さっぽろテレビ塔の「テレビ父さん」や「時計大臣」、米子市の「ネギ太・ネギ子」(ふたりで「ヨネギーズ」)なんて人たち(?)も、いい味を出しています。
 もちろん、この記事の冒頭で紹介した、横浜市の「とつか再開発くん」も忘れてはいけません(名前からして、タダモノではないインパクトですよね……)。

 こういうアヤしい連中の姿こそが、ゆるキャラとしての正しいありかたなのです。
ホメオパシー

究極の書物『ゆるキャラ大図鑑』。
トホホな世界を存分に味わってみる!\?

 いまや、すっかり「ゆるキャラ」ワールドにハマってしまった。でも、現地に彼らを見に行く時間はないよなあ……。
 そんなアナタは、『ゆるキャラ大図鑑』(みうらじゅん著 扶桑社)なんて本に目を通してみてはいかがでしょうか。

 そもそも、この「ゆるキャラ」という名称。日本のサブカル界の大御所であるみうらじゅん氏の造語なのです。
 「ダメなTVゲーム」を意味する「クソゲー」や、「自分の内部だけの静かなブーム」をあらわす「マイブーム」など、数々の名言・名単語を生み出した同氏。
 語感からイメージが惹起できるヘンな言葉を発明する才能には、まさに脱帽してしまいますね。

 地元のショボいイベントや官公庁のホームページに登場するおマヌケなキャラクターを、鼻で笑い飛ばすのは簡単なこと。しかし、この図鑑を眺めながら彼らの明るい表情に思いをめぐらせると、その背後には以外に奥深くて奇妙な世界が広がっていることに気づかされます。
 人は見かけによらないもの。同様に、ゆるキャラたちも、見かけほどにはユルくないのかもしれません(!?)。

 日本の地域社会の陰でひっそりと息づく、脱力感たっぷりのゆるキャラたち。
 彼らのグッズは通信販売などに対応していないことも多く、入手のためには現地へゆかなくてはならない事もしばしばです。
 地方へ旅行するときは、この奇妙なヤツらにもちょっと注意を払ってみると、旅がもっと楽しく(もっとアヤしく?)なるかもしれませんよ!
みうらじゅん