黒いトマトから究極のトマトまで〜フルーツトマトの世界
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真っ黒なトマトを発見! 店頭に並ぶ新世代トマト |
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野菜売り場の一角はトマトで真っ赤だ。いつの間にこんなに種類が増えたのだろう。子どもの頃はトマトといえば一種類だけだったと思うが、大きいのから小さいのまでさまざまな種類のトマトが山積みだ。
トマトといえばカゴメ、トマトジュースやケチャップの代名詞のような企業だが、最近では生鮮トマトの販売も行っている。 トマトの品種改良に力を入れている同社らしく、ちょっと変わったトマトが多い。『織部』は真っ黒なトマトだ。黒トマトと呼ばれる品種で、一部では知られていたが、日本でメジャーになったのはスーパーマーケットで『織部』が買えるようになってからだろう。
普通のトマトは熟れるにつれ、緑→黄→赤と色が変わっていく。これは熟すにつれて緑の色素クロロフィルが減少、赤い色素リコピンが増えるためだ。 しかし『織部』の場合、リコピンが増えてもクロロフィルが減少しない。そのため、熟すと赤と緑が混じり合い、黒に近い茶色になる。緑→茶色→赤茶色へと変わるのだ。名前の通り、織部焼きのような渋い、不思議な色合いのトマトである。
カゴメによるとこの『織部』、違うのは見かけだけではないそうだ。熟せば熟すほど糖度が上がり実が柔らかくなるのが普通のトマトだが、『織部』は熟し始めに糖度がピークを迎える。実はまだ固いのに甘い。 カゴメの開発担当によれば、「果肉がシャキシャキした食感」とのことだ。またトマト特有の青臭い匂いもないため、あの匂いが苦手な人には大変喜ばれているという。
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水をあげない、肥料あげない フルーツトマトの不思議な作り方
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カゴメではジュース用にリコピンが多い=実が赤いトマトを開発してきた。リコピンは色素としてだけではなく、高い抗酸化作用を持つことから関心が集まっているが、リコピン濃度の高いトマトはジュースにはいいが、生で食べるには味が良くなかった。 カゴメが新たなに開発した高濃度リコピントマトは、普通のラウンドトマトの3〜4倍近いリコピンを含みながら、なおかつ生でもおいしい新品種だ。
栄養分を操作されたトマトのうち、特に有名なのがフルーツトマトだろう。 品種はごくありふれたもの、最近では桃太郎などがよく使われるが、同じ品種でも育て方を変えることで糖度を極端に上げたものをフルーツトマトと呼ぶ。 普通のトマトが糖度5前後に対して、糖度が7〜8、中には10以上というものもある。柑橘類やスイカの糖度が10程度なので、ほぼ互角だ。フルーツという呼び名はおおむね正しい。
フルーツトマトは概して実が小さく、色が濃い。フルーツトマトの代表であり元祖の徳谷トマト(高知県高知市徳谷地区で作られることからそう呼ばれている)は、トマトに水をやらず、土に肥料をやらない。元々中南米の高地を原産にしているトマトを本来の気候に近い、雨が降らない乾いた状態で育てることで、桁違いに糖度を上げることに成功したのだ。
徳谷トマトの成功を機に、各地で地元ブランドのフルーツトマトが作られるようになった。基本的にフルーツトマトはどこも同じ作り方だが、土の特性や水遣りの違いで、同じ品種でもまるで違うトマトができる。
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災い転じて甘みとなした 「塩トマト」を取り寄せた |
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ネットを見ていたら、塩トマトという聞きなれないトマトがあった。 熊本県八代地区という干拓地で育てたトマトで、元は海だったところだから塩害がひどい。真水がないから吸収できる水分が少なく、実が小さくなる。 当初は規格外品扱いだったというが、結果的にフルーツトマトと同じものができていたのだ。しかもフルーツトマトのように、元々が肥沃な土地に人工的に過酷な環境を作るわけではなく、普通に作っても結果的にフルーツトマトができる土地なのだ。
頼んで数日、届いたトマトはなるほど小さい。片手に2個持てるほどだ。 ぎゅっとしまった実が過酷な育成環境を想像させる。食べてみると甘みだけではなく酸味も強い。フルーツトマトというと甘いだけのまさに果物のような商品もあるが、おいしいがあれは物足りない。 塩トマトはトマトの味を全域で高めたような濃い味だった。中高年がよく言う昔のトマトの味である。もちろん当時のトマトよりもさらに糖度は上がっているから、塩トマトの方がおいしいはずだ。
常温で放置し、何もつけずにかぶりついて食べるのが一番おいしかった。3つ4つ平気で食べた。パスタにも使ってみたが、熱が加わると香りが立ち、夏の景色だ。
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