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カプセル内視鏡 一錠10万円?医療を変える小さな技術
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切らない縫わない低侵襲性医療
病気になると病院で検査を受ける。この検査が辛い。
初めて胃カメラを飲んだ時、胃潰瘍も辛いが、これでは年寄りは胃カメラで寿命が縮まるかも、と思った。
いつもご飯食べているのに、なぜ胃カメラだけ飲むのがあんなに辛いのか。
低侵襲性医療と呼ばれる分野がある。
たとえば心臓病で心臓の血管にコレステロールが詰まって石灰化していたとする。
常識的に考えれば胸を切開して疾患部分を切り取って、と思うが、患者にとってこれは大手術だ。
高齢者であれば、手術を受けずに治ればと思うだろう。
そこで足の付け根の血管から小さな細い管=カテーテルを入れる。
管の先端にはダイヤモンドのドリルがついていて、毎分18万回転で血管の石灰質を削り落としてしまうのだ。
カテーテルの先端部分はドリル以外にも血管拡張用のバルーンや患部焼灼用のレーザーなど多様なアタッチメントがある。
カテーテルを使えば開腹せずに手術ができるし、動脈瘤に白金のコイルをかぶせ、破裂を防いだり、患部に直接カテーテルを差込み、薬剤を注入するなど新しい治療法が可能になった。
カテーテルにセンサをつけ、柔軟に動く次世代カテーテルの開発も進んでいる。
オリンパスが開発中の
「マイクロ能動湾曲カテーテル」
は、形状記憶合金の筋肉と圧力センサの触感を持っている。
カテーテルを臓器内に入れた時、カテーテルが不用意に組織に触れると圧力センサがその圧力を検知すると、反対側の形状記憶合金をヒーターが加熱、組織から離れる方向にカテーテルが湾曲する。
飲むだけで体内を撮影
カプセル内視鏡
二度と受けたくない胃カメラだが、長野の
アールエフ
は2001年に国産初のカプセル内視鏡「NORIKA3」を発表、さらに2006年、第2世代となる「Sayaka」を発表した。
カプセル内視鏡とは聞き慣れない言葉だが、従来の内視鏡が胃カメラのようにカテーテル形状であったのに対して、カプセル内視鏡は文字通りのカプセル形状。飲むだけで体の内部が撮影されてしまう。
いわば「Sayaka」はマイクロマシン技術を応用した超小型ロボットである。
直径9mm、全長23mmのやや大ぶりの経口薬といったサイズのカプセルは二重構造。
電磁石で内部のカメラが回転し、体内の映像を毎秒30コマで撮影、外部のコンピュータへ転送する。
ワンショットづつバラバラの映像はモザイキング技術により全体が統合され、腸管内の俯瞰ができるようになっている。腸をはさみで切って広げたかのような絵が撮影できるのだ。
「Sayaka」はバッテリーを積んでいない。外部から無線で電力を供給するため、カプセルサイズまで小型化することが可能になったのだ。
ただし残念ながら胃は撮影できないらしい。搭載されたLED照明のパワーが足りないため、空間の広い胃のような臓器を撮ろうとすると絵が暗くなってしまう。
反対にカテーテル内視鏡が届かなかった小腸の内部を容易に撮影できる。
カプセル内視鏡の原型はミサイルだという。
ミサイルの先端には地形を捉えるためにカメラが搭載されている。ミサイルをそのまま小型化し、推進装置を外せばカプセル内視鏡の出来上がりだ。
一錠10万円
カプセル内視鏡発売開始
カプセル内視鏡を世界で初めて作ったのはイスラエルの
GIVEN IMAGING社
だ。
カプセル内視鏡「PillCam」の初期モデルは毎秒2枚のモノクロ画しか撮れず、カメラもピントも固定式だった。
GIVEN IMAGING社のカプセル内視鏡は世界60カ国で販売され、すでに50万件以上の検査が行われている。
遅まきながら日本でも同社のPillCamを厚生労働省が承認、5月30日より医療品卸メーカーのスズケンが販売を開始した。
PillCamをには2個のカラー撮影素子とバッテリー、フラッシュが搭載されている。
サイズはSayakaよりもやや大きく、直径11mm・長さ26mm。患者は24時間の断食後、水でPillCamを飲む。
PillCamから送られてくる毎秒2コマのカラー画像は患者のウェストに付けられたレコーダーに8時間分、5万5000枚が記録される。
記録時間が8時間というのは、レコーダーの容量に加え、飲んだPillCamが排出されるまでの時間がほぼ8時間だからだ。
撮影中は自由に外出可能だ。仕事も遊びもレコーダーを外さなければ問題ない。
基本的に使い捨て。排泄されるので、当たり前といえば当たり前だ。それを使い回されたら、次の患者はたまったものではない。
国内価格は10万円と非常に高価。使い捨てのカプセル内視鏡に10万円を払う患者が果たしているのか、微妙なところだ。
今後スズケンではカプセル内視鏡への健康保険適用を求めていくという。
マイクロマシンが医療を変える
パッチ型インシュリンポンプを開発
医療機器の小型化は低侵襲性のみならず患者の生活の質の向上=Quarity Of Life:QOLも可能にする。
重度の糖尿病患者に1日に数回、定期的にインシュリンの注射が必要なことはご存知だろう。
これが自動化できれば、糖尿病患者はわずらわしい注射が必要なくなる。
自動的にインシュリンを体内に投与する、いわばインシュリンの携帯型タイマー付き点滴はインシュリンポンプと呼ばれ、すでに製品化されている。
しかし従来品はサイズがポケットベルほどもあるため、体に固定するのも大変で、服の下に付けたり人知れず工夫が必要だった。
Debiotech社が開発、
STマイクロエレクトロニクス
が商品化を進めている使い捨てインシュリンポンプはパッチ状で紙のように薄く、腕などに直接貼り付けることができる。
マイクロマシン技術を利用してポンプを極小化、微量のインシュリンを電気的にコントロール、常に必要量を投与する。
実用化すれば、全世界2億5000万人の糖尿病患者にとって朗報となるだろう。
マイクロマシンやナノテクノロジーといった微細化技術は次世代医療の基幹技術と目されている。
薬剤の粒子をナノサイズにすることで、体内への吸収率を注射による投与の1.6倍まで引き上げるナノコンポジット技術、体内にチップを埋め込み、体内の変化を常時監視するナノバイオセンサーなど数多くの技術の研究開発が進んでいる。
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この記事についてのコメント
- 最新10件まで表示 -
名無しさん
-2007-07-17 15:55:41
こういう機器を開発する人ってマジで偉いと思う。
患者のことを考えて作られる機械が、今後も量産
されていって欲しいなぁ。
名無しさん
-2007-06-19 13:26:46
もう、器械で病気を治す時代になったのか。
漫画の世界だとおもっていたのに。
ナテデココ
-2007-06-18 18:43:20
ほんと!救世主なんじゃ?!
胃カメラ、つらいしね〜xx
もう少し、安くなればいいですね。
名無しさん
-2007-06-18 10:56:44
この記事面白いねー。カプセル内視鏡とかすげー興味あるし
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