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気になるカエルのお菓子箱。オフィスグリコ

オフィスに1つ、お菓子箱

 頂上にカエルの口が付いた、なんともコミカルなお菓子箱。

 箱の中にはビスケット、チョコレート、ガム、ポッキーなどが詰まっていて、その引き出しを開けること自体に何ともいえない高揚感がある。
 そして「お菓子が食べたいなぁ」と思ったら、カエルの口へ100円玉を投入。値段はすべて一律の100円だ。「チャリーン」というお金の音が心地よい。

 オフィスグリコのシステムは、田舎で見かける野菜の無人売り場とまったく同じである。

 「お菓子、簡単に取れちゃうでしょ? 大丈夫?」
 誰もいないんだから、お菓子だけ持ち去ることもできてしまう。世知辛い事件が起こっている世の中だから、なおさら心配にもなる。だけど……、

 「僕がオフィスグリコで仕事をしているのも、それがきっかけです。お客さんを信じてナンボ。セキュリティ重視の時代には逆行しているけど、あえて人の善意を信じてみたい」
と、江崎グリコの櫛引(くしびき)氏は言う。

 いつの間にか日本中のオフィスで市民権を獲得しつつある、カエルのお菓子箱。
 今回はその裏エピソードをたくさん聞いてきました。
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オフィスグリコ

最初のターゲットは
中高年の男性だった

 1999年からテストを開始し、2000年から本格展開を開始した「オフィスグリコ」は、ここ数年の間で急速に広まり、さまざまな会社で見かけるようになった。
 なんと現在では、山の手線内ならサービスエリアは100%OK。地方都市へも近畿、中部、北九州のサービスエリア限定だが展開しており、オフィスグリコはどんどん広まりつつある。

 サラリーマンやOLを中心に人気になったオフィスグリコ。
 当初、家庭やレジャーだけでない会社内での食シーンを想像して調査。そして「オフィス」という新規市場での販売に行き着いたという。
 オフィスには中高年の男性も多いが、

 「女性は何もしなくてもコンビニやスーパーに足を運んでお菓子を買ってくれるけど、中高年男性はわざわざ買いに行くのを渋る傾向があったんです」

 そういった新しいニーズを掘り起こすためにオフィスグリコは立ち上がった。
 ところが、お菓子箱をコミカルなカエルにしたことで、最初は中高年の男性には抵抗があった。逆にOLからは大人気になり、彼女たちが上司にお願いしてオフィスグリコを会社に置いてもらう、という普及パターンが多かった。

 しかし、一度システムに慣れるとアレルギーもなくなり、今では購買の半分は中高年の男性だという。おせんべいなどの他、アーモンドチョコレート、グリコ、キャラメルなどの昔なつかしいお菓子が入っているのも嬉しい。

 「買いに行く」というよりは「家のお菓子箱を開ける」という感覚が、中高年の男性にピッタリはまったらしい。
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何だか気になる、あのカエル

 「ねぇ。今度はアレ、入れてくれない?」

 お店で売るのとは違い、オフィスグリコはそれぞれの会社にお菓子を補充に訪れるので、お客さんから直接要望を受けることも多い。メーカーがお客さんの意見を聞ける、究極のマーケティングである。

 カエルの存在感は思いのほか大きく、地方から首都圏に出張している人から「これ、ウチの仙台支店にも置いてくれない?」とお願いされることもあったり、もしくは取引先などで話題になって、「あそこの会社で置きたがってたよ」という話を持ちかけられることも多いらしい。

 「オフィスグリコ」という名前も、オフィスという固い名前と、グリコという親しみのあるお菓子の名前が合体した面白いネーミングだ。

 コンピュータ、書類、書籍などがメインのオフィスの中で、カエルがくっ付いたプラスチック箱は新鮮そのもの。何だか気になる存在である。
オフィスグリコ