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あの人の思い出をいつも〜骨壷の事情

自分だけの骨壷
死を捉えたアートしての骨壷

 死んだら人は灰になる。灰になって壷の中に納められる。だから人生の終着点はお墓というよりは骨壷だったりする。
 その最後の場所を量産品とするのか、自分だけのオリジナルにするのか、人の最後のこだわりである。

 日本の骨壷は石か陶磁器がほとんどだ。石を削るのは大変だが、陶磁器なら自分で作ることもできるし、作家に作ってもらうこともできる。

 骨壷の自作をすすめているのが陶芸家の冨山善夫氏。美術団体アートフォリオのホームページで氏は骨壷の自作を勧めている
 骨壷といってもようは花瓶と同じく器であり、納骨スペースに合わせたサイズや水が中に溜まらないように底に穴を開けるなどいくつかの点に気をつければ、誰でも作ることができる。

 海外ではアメリカのギャラリー、FUNERIAが作家に骨壷を依頼、“Ashes to Art”という展示会を行っている。
 アートサイトのpingmagで紹介されている“Ashes to Art”の出展作品は骨壷の常識を覆す実にユニークなもの。

 骨壷というだけに日本では壷の形からなかなか離れることができないが、そのデザインはシガーボックスやブロンズ製のオウムガイ、ガラスの工芸品など日本人の常識を軽く超えながら、しっかりと美しい。

 土葬が一般的だったアメリカで火葬の習慣が定着したのはつい最近のこと。遺灰に対するイメージも異なり、骨壷の形態もしっかりと定まっているわけではないらしい。
 そこで故人の個性を生かしたユニークで美的な骨壷を作ることで、新しい形で死と向き合うことを同展は狙っている。
06年の“Ashes to Art”のサイト
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京都博國屋

日常の中に骨壷がある手元供養
高級骨壷の必然性

 骨壷は実は生きている人のものでもある。
 遺灰は骨壷に入れられ、納骨堂に入る場合もあるが、仏壇に置かれたり、自宅にそのまま置いておいても問題ない(法律上の遺灰は産業廃棄物だそうだ)。

 だから自宅に置く場合に骨壷にそれなりの質や格を求めるのは当然といえば当然。いかにも骨壷然とした器が部屋にあるのは気が引けるだろう。

 自宅に遺灰を置き、日々自分たちで供養する手元供養を勧める京都博國屋では、目的や価格別にさまざまな骨壷などの手元供養品を用意している。

 もっとも高価な骨壷は『青龍洞薬壷1466』だ。
 京都の陶芸家、勝尾青龍洞氏が作る骨壷は薬師如来が左手にのせている “薬壺(やっこ)” をモチーフにした上品なもの。
 それでいて骨壷らしさ、ある種の威厳を感じさせる。京都博國屋ではこの骨壷がもっとも高価で52万円だ。

 陶芸作家の作る骨壷はそれなりに高く、備前焼作家 稗田寿炎氏の骨壷は高いもので9万円、ガラス作家集団ぎやまん倶楽部のガラス製骨壷は2万円から高いものは24万円まである。

 手元供養であれば、骨壷は常に人目に触れ、何十年も受け継がれていくことになる。そんな骨壷に作家性と高級感を求め、それに応じた値段を払うことは至極まっとうなことと思われる。


取材協力&画像提供:京都博國屋
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土は土に灰は灰に
バイオ骨壷の静的散骨葬法

 自然葬が注目されている。遺灰は焼き場で骨壷に詰めるだけ詰めた後、灰や小さな骨など必ず残りが出る。 これは産廃として処理され、合同墓所に納められるそうだ。
 それなら自然に戻してはいけないのか? 海や自分の土地への散骨はダメなのか? 

 遺灰は産業廃棄物なので散骨には制限が多い。当たり前といえば当たり前だが、水源や漁港への散骨はダメだし、近隣の理解も必要だ。
 そこでバイオアート社が考えたのが『静的散骨葬法(溶骨法)』である。

 土に触れると分解するバイオ骨壷に細かく粉砕した骨を入れ、自然と土に吸収させようというものだ。
 完全に土に埋めてしまうと埋葬になり、墓地でしかできないが、バイオ骨壷は半分だけ埋めた状態で土に分解される。
 また骨のリン酸カルシウムは不溶性で普通は土に溶けないが、クエン酸を加えることで分解する。

 このやり方なら散骨のように周囲に気を使うこともなく、骨が散逸することもないので自宅の庭で自然葬が行える。

 バイオ骨壷の価格は2万6,250円〜3万6,750円。遺骨は土が吸収できるように粉砕する必要があり、その場合、遺骨を同社に送ると粉砕しバイオ骨壷に入れて返送してもらえる(費用・送料別)。
バイオアート