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ヴィンテージワインで、深いひと瞬間を

ヴィンテージワインとは?

 「ヴィンテージ」と聞いて、真っ先に何を思い浮かべるだろうか? 多分に、その人の趣味や関心ある領域によってかなりバラつきがあるのでは?

 ちなみに、筆者は真っ先に「ジーンズ」だった。「ヴィンテージワイン」も耳にしたことはあっても、またアルコールの中ではワインを最も嗜むとはいえ、深い“こだわり”を追求してはいないからに違いない。

 ところで、英語の“vintage”から来ている「ヴィンテージ」という言葉。
 実は「ワイン」を付けずに単体で「(醸造年を入れて売る)極上のワイン」という意味があるって、みなさん知っていました?(「ウッホン!」と、得意げに咳払いしたいところ。でも実は、筆者もついさっき仕入れたばかりの知識。)

 辞典を見ると、概ね以下のように記載されている。

1、毎年のぶどうの収穫(期)。ワイン醸造(期)
2、ヴィンテージワイン(良質ぶどうの豊作の年に醸造されたぶどう酒)

 つまり、「ヴィンテージ」は、ワインがあっての言葉で、あえて屁理屈をこねるなら、「ヴィンテージ・ワイン」は「ヴィンテージワイン・ワイン」と二重表現になっている、と言えなくもない。
 ちなみに、フランス語でワインは“vin”。「酢」のことを英語で「ヴィネガー(vineger)」と言うが、これもフランス語の「酸っぱくなったぶどう酒」が原義だそうで、確かに頭には“vin”が付いている。

 結局、筆者のようなありふれた消費者にとっての見分け方は、「ラベルに年号が明記されていたならばヴィンテージ・ワイン」でよさそうである。
ヴィンテージ
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ワインの基本的な種類のおさらい

 赤ワインや白ワインと横並びで「ヴィンテージ・ワイン」があると思っていた。なんて人は、まさかいない?
でも、日本酒の種類を「一級酒と二級酒と、そして料理酒だけだと思っていた」なんて人も現存していた(何を隠そうココにいる…かつて、だけど)から考えると、全くあり得ない話ではない、と思うのだが…。

 そこで、切り口によるワインの種類の基本をおさらいしてみよう。

1、色による種類

 「ワインの色=ぶどうの色」ではない。また、ぶどうのジュースは、外観がどんな色であっても基本的にはみな透明なのだそうだ。ではワインの色を決めるのは何かというと、それは“発酵の際に、果皮を入れるがどうか”。

●赤ワイン…果皮も種も一緒に入れて発酵させた結果、赤くなる。
●白ワイン…圧縮したジュースだけを発酵させる。
●ロゼワイン…比較的色の濃いぶどうを、白ワイン同様にジュースだけを用いて発酵させる。そのため、使ったぶどうの種類によって色の濃淡が左右される。

2、つくり方による種類

●テーブルワイン…ぶどうの種類や製造年などの記載がなく、また炭酸も含まない、一般的に汎用されるワイン。
●スパークリングワイン…発酵過程で自然発生する炭酸ガスを閉じ込めたワイン。シャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)などが有名。
●フォーティファイドワイン…ブランディーなど、度の強いアルコールを発酵過程で加えたワイン。ポートやマデイラ(いずれもポルトガル)などが代表。

 もちろん、“ヴィンテージワイン”もつくり方による種類のひとつ。


写真提供: SHIMIZUYA
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ワインは生き物
中でもデリケートな「ヴィンテージ」

 冒頭で書いたように、ヴィンテージワインは、原料であるぶどうの収穫年が特定されている。他のワインと比べて、「より純粋なワイン」と言ってもいいだろう。

 だからこそ、その純粋さを生かすためには、保存環境が重要になってくる。たとえ生まれがよくても、育った環境が劣悪だと、人でも動物でもイイままではいられなくなるのと同じかもしれない。

 そうだ! ワインもれっきとした“生き物”で、各ボトルごとに個性があるのだ。そしてその中でも格別にデリケートなのが“ヴィンテージワイン”と言えるだろう。

 なんでも、フランスのワインを保管するベストな環境は、フランスのシャトー(古城)のカーブ(ワインセラー)以外にはない、のだとか。でも、そのために古城を買える人はそうそうはいない。
 せめて折角のヴィンテージを最大限に楽しめるよう、保管する場合のポイントは是非抑えておきたい。

 岐阜県土岐市に創業70年の老舗酒店で、オールドヴィンテージワインの専門店“SHIMIZUYA”の高井社長は、次のようにアドバイスする。

 「北向きの涼しい部屋に押入れがあれば、下の段にラック代わりのダンボール箱を置いて、コルクが乾燥しない様に寝かせて入れておく。その際、防虫剤等、臭いの強いものはそばに置かないよう注意が必要です。
 またかなりの日数保管する場合には、防寒のためにワインを新しい新聞紙で包み、さらに防臭のためにその上からビニール袋で包んで冷蔵庫の中に寝かせて保存してください。」

 植物は「話しかけたり音楽を流すと元気になる」と言われている。ひょっとしてワインも?と思ったが、

 「耳にしたことはありますが、科学的にはわかりません。ただし、“ワインは生き物である”との認識は確かにあります。」

と、SHIMIZUYA の高井社長は極めて慎重な答えが返ってきた。さすがは、デリケートな“生き物”を扱う専門家である。
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