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不思議な香木 科学が及ばない自然のマジック |
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香木は大別して3種類、白檀(びゃくだん)、沈水香木(=沈香。じんすいこうぼく)、黄熟香がある。 白檀は文字通りの香木で、木自体から匂いがする。 練り香(香木と麝香などの他の香り物質を混ぜ合わせたもの)以外にも仏像を彫ったりすることも。これは別に不思議じゃない。
計り知れないのは沈水香木だ。 沈水香木は沈丁花科アクイラリア属の植物からできる。木自体には何の香りもなく、軽く、水にも浮く。
一方、沈水香木は重く、その名の通り水に沈む。 熱すると独特の芳香が漂い、熱しなければ半永久的に保存がきく。バクテリアは沈水香木を分解できず、土の中でも水の中でも腐ることも分解することもない。
元々の木とはまったく異なる性質を持つ沈水香木は、いまだに再現できずにいる。人工沈水香木というものは、21世紀の科学でも作れないのだ。 東南アジアのジャングルの奥が原産地で、しかもどの土地でも場所や状態が外部に漏れないように徹底した守秘主義が取られてきた。そのため、沈水香木がどういう状態で産出されるのかも長らく謎だったという。
山田氏など香木を研究する人たちによって、木が外敵と戦った結果、香木が生まれるということはわかっている。
他の植物や昆虫から身を守るため、植物は抗菌性物質のフィトンチットを分泌する。 アクイラリア属の場合、フィトンチットのような物質を撒くのではなく、昆虫などに傷つけられた部分を変化させ、植物本体とは違う組成に変えてそれ以上の侵略ができないようにする。それが香木の原型だ。
そうして組織が変成した部分がある程度まで広がり、やがて木が枯れ、何十年か何百年か、時間が経過する中で沈水香木が生まれるのだ。 未だに人類が石油を合成できないように、沈水香木も時間のマジックによって生まれる自然だけの産物なのである。 |
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