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なんとも不思議な楽器 テルミンの音色

この世に初めて誕生した
実に不思議な電子楽器

 この世には様々な楽器がある。最初に誕生した楽器は、やはり打楽器なのだろうか?

 狩猟として使用していた弓を使って音を出したのが弦楽器の始まりと言われているし、プレイヤーは少ないが、のこぎりを楽器として使用し、音を奏でている人もいる。

 楽器は音の出し方によりいろいろな種類がある。
 楽器そのものの響がナチュラルな、ピアノやヴァイオリンなどのアコースティックの楽器、エレキギターのように振動を電気的に増幅させる電気楽器、そして電子回路による演算によって発振を生み出し、音とする電子楽器。
  
 現在、この中で活躍著しいのが電子楽器ではないかと思われるのだが、電子楽器はいつごろ誕生し、そして一番最初の電子楽器とは何だったのか、ということは、あまり知られていない。電子ピアノなのか、それともシンセサイザーなのか…。

 その答えは「テルミン」という楽器である。その名を知る人はあまり多くないのではないだろうか。その起源や演奏法、そして音色。どれをとってもまか不思議な楽器テルミン。その世界を探ってみよう。




 テルミン演奏:竹内正実(たけうちまさみ)氏

画像提供&取材協力:Mandarin Electron
Mandarin Electron
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誕生は1920年
テルミンの歴史と原理

 テルミン (Theremin) が生まれたのは1920年。
 旧ソ連の発明家レフ・セルゲーエヴィッチ・テルミン(Лев Термен, Lev Termen, Léon Theremin, 1896年 – 1993年)によって発明された、世界初の電子楽器である。

 エジソンが電球を発明したのが1879年。今でこそあらゆる機器に電気はなくてはならないものであるが、テルミンが開発された当時は、まだそれほど電気があらゆるものに応用されていたわけではない。

 ひらたく言うと、とどのつまり電子機器というものがほとんど普及していなかった時代にテルミンは発明されている。テルミン博士もなかなかやるものだ。

 テルミンはどのような形をしているかというと、ちょっと見旧式のラジオ、あるいは無線機のようである。とても楽器には見えない。テルミンにも様々なタイプがあるが、基本的に本体から2本のアンテナが出ている。
 それぞのアンテナからは周波数の異なる高周波が出ており、1本のアンテナは音量を、もう1本は音程を調節する役割を持っている。現在はシンセサイザーが広く普及しているが、その基になったのがテルミンと言われている。
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演奏というより指揮?
磁場を操り怪しく奏でる音

 もう少し踏み込んで、テルミンの原理や奏法に触れてみよう。

 テルミンの音程を生成する部分には高周波発振器が2つ組み込まれている。これらは、わずかに違う周波数を持つよう調整される。 そしてこれらの発振器間のうなりにより、低周波の可聴域の波を発生させて音に変換する…というのが基本的なテルミンの原理だ。

 そして発振器のコンデンサ部分は、アンテナの 1 本に接続されている。このアンテナに手をかざし、手とアンテナとの距離を変えることで静電容量が変化し、発振周波数が変わる。
 これによってうなりの周波数も変化して、音程がも変わるのである。

 もう一方のアンテナによる音量の変化も、同様に 2 つの発振器と静電容量変化により発振周波数が変わる原理を利用している。文章にしてみると少々ややこしいが、原理は案外簡単。一時は自作なども一部の間で流行したようだ。

 本体には一切触れず、2本のアンテナが造り出す磁場に手をかざしてテルミンを奏でるプレイヤーの姿は、楽器を演奏しているのではなくオーケストラの指揮者のようである。

 テルミンは大きな楽器店に行けば割合入手しやすく、価格は1万5000円くらいからあるようだ。キットなどを利用すれば自作するのもそれほど難しくない。2500円ぐらいで作ることができるようだ。
 ただし、これはあくまで手軽にテルミンの雰囲気を楽しむためのもの。
 テルミンの本格的な音楽演奏をするのなら、Moog Music社製のEtherwave Thereminなどの本体にプラスして、スタンド、アンプなど一式が必要であることも覚えておきたい。
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