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「京野菜」はただのブランド野菜か?-京マーク-

京都ブランド「京野菜」
名前に負けない味と歴史

 皆さんは『京野菜』という野菜をご存知でしょうか?
「野菜は野菜。何にでも「京都」って冠を付けたら売れると思いやがって。ケッ!」……なんて思わないで下さいね。

 『京野菜』は名前だけの観光品ではなく、実際にちょっと特別な野菜なのです。
 そもそも、千余年の都・京都では、宮廷料理や精進料理に使うための良質の野菜が求められました。
 また、地理的にも海から離れている為に、新鮮な魚介類の入手が困難だったので、農作物を中心とした食文化が栄えたことは当然の成り行きといえるかも知れません。

 そして、それらの需要に応えるために農家は様々な工夫を凝らし、品種改良を積み重ねることで、味わい深い『京野菜』を生み出すことに成功しました。現代では流通も変わり、肉や魚介も遠方から新鮮に手に入れることができるようになりました。それにともなって、京野菜も品種改良をする必要が無くなりました。

 見た目の美しさや、遠方への流通を見越した現代市場向け商品としての品種改良はされておらず、今でも昔ながらのやり方で手間ひまかけて栽培されているので、京野菜は独特の、野菜本来の自然な形状をもっていることも特徴の一つです。

 つまり、もともとは最先端の野菜として生まれた京野菜が、今では伝統的な野菜となっているのです。また、余計な加工を施さないので、味だけでなく栄養面でも一般的な野菜を上回るものが多いといわれています。
さいさい京野菜倶楽部
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京マーク

ただの変な野菜じゃないのよ!
京野菜たる2つの定義

 『京野菜』と、ひとくちにいっても、実に様々。
「賀茂ナス」「万願寺とうがらし」「九条ネギ」、近頃ではサラダとしても人気の「みず菜」など。まんまるの賀茂ナスや、ごつごつ大きな万願寺とうがらしの独特の容貌を、実際に食したことは無くても、テレビなどで一度くらいはご覧になったことがあるのではないでしょうか?

 「ああ、あの変な形の野菜が京野菜なのね」と、形のイメージばかりが先行して「変な形=京野菜」と思われがちですが、そうではありません。これら『京野菜』には、大きく分けて2つの基準があるのです。

 (1)明治以前の導入の歴史を有する。
 (2)京都府内全域を対象とする。
 (3)たけのこを含む。
 (4)キノコ類、シダ類を除く。
 (5)栽培又は保存されているもの及び絶滅した品目を含む。

 という定義に合う41品目を、京都府・京都市・JA・学識者などが集まって、1987年に『京の伝統野菜』と定めました。そして、もうひとつの基準は『京のブランド産品』、いわゆる「京マーク」のついた野菜です。

 これは、京都府・京都市・JA・流通業界によって作られたブランド認証審査会で、みず菜や九条ねぎのような伝統的な野菜を中心に「優れた品質が保証され、一定の生産量があって市場流通が可能なもの」という条件のもと、認証されたものをさします。

 この中には『京の伝統野菜』と重複したものも含まれていますが、金時にんじん、やまのいもなど独自のものも合わせた計21品目に『京マーク』というシールが貼られています。
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元祖「京野菜」を守れ!
京野菜マイスター認定制度

 「マイスター」とはドイツ語で「名人」を意味する言葉。
 最近では、様々な分野でこの「マイスター」という言葉が使われていますよね。実は、『京野菜』業界にもマイスター認定制度があるのをご存知でしょうか?

 現在、市場には安価な野菜があふれていて、どうしても手間ひまかけた京野菜が価格面で押されてしまいがちです。また、「京」の部分を平仮名にかえた「きょう野菜」や、漢字をもじった「郷野菜」、京野菜の独特の名称を他の野菜に置き換えた奈良産の「万願寺ナス」など、京野菜を明らかに意識したと思われる類似品が数多く出回っています。

 これらの問題に危機感を感じ、「消費者に本物の京野菜をわかってもらいたい」という思いを込めて、今春より、京都府や農協などでつくる「京のふるさと産品価格流通安定協会」が、京野菜を目利きする「京野菜マイスター」制度を導入しました。

 そして、今年4月。
 農家や料理人、青果商など、京野菜にかかわる職業の人を対象に、歴史や文化、栽培技術に関する筆記試験、類似野菜を見分ける味覚や視覚の実技試験が行なわれ、栄えある最初の「京野菜マイスター」五人が認定されました。

 認定されたのは、京野菜の小売業・(有)矢尾吉の専務取締役、池端利明氏、京野菜の卸売・京都青果合同(株)で野菜部長を務める松本雄治氏、京料理「たん熊北店」の代表取締役、栗栖正博氏、グランドプリンスホテル京都のフランス料理シェフ、高垣吉正氏、そして創作京料理・ジョイフル文蛾のオーナーシェフの平田宗子さん。
京野菜マイスター