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今ならまだ食べられる“天然氷”のかき氷 |
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鰻でも松茸でも、今や“天然”と名の付くモノの価値は誰もが認めるところ。 「天然なんだから高くて当然」と、大抵の人が考える。それは言うまでもなく、そのモノの本質的な魅力もさることながら、それが希少な存在であるという事実があるからだ。
昨今、希少価値が急激に高まっているも天然モノのひとつに、“天然氷”がある。理由はズバリ、気候温暖化だ。
去る8月16日に、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で最高気温が40.9度となり、74年ぶりに記録更新となったことからも、それは充分に実感できる。 熊谷市から20キロほどの距離に住んでいる筆者は、エアコンのない自宅で呼吸困難を感じて緊急脱出し、夜に帰宅してもまだ35度を指している寒暖計を見て、「エアコンなし生活も時間の問題か…」とがっくりした日だった。
どんなごちそうよりも「氷」にかぶりつきたくなってしまう超猛暑の今夏だが、温暖化は夏のみではなく冬も同様で、冬季の自然の営みによって創られる天然氷ができにくくなっている。それが国内産の天然氷の現状だ。 そのうち、極地に近い諸外国からの輸入天然氷がもてはやされる時代が来るかも? 世界各地の氷河の溶解も進んでいるのだが…。
それでも、かろうじて今この時点(2007年8月)では、日本の自然が生んだ“天然氷”は存在する。そしてその氷を使ったかき氷を食べることができる。
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