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ロマンの秘められた温泉 それは心を癒す天下の名湯 |
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林羅山は、さらに著書の中でこう続けています。 『今、有馬、草津は広く世の知るところなり。下呂は古来の霊湯たること、遠く知るもの少なしといえども、入湯する人はその験を得ざることなし』 羅山は下呂を無名の名湯として称えたのです。 また、下呂温泉には白鷺(しらさぎ)と呼ばれる伝説が伝えられています。 『古い古い昔より、下呂には豊かに湧き出る温泉がありました。ところがある日、大地震がおこり、下呂のお湯がぱったりと止ってしまったのです。村の人たちはたいそう悲しみました。 そんなある日、一羽の白鷺が益田川の河原に降り立ちました。白鷺は、あくる日もその次の日も同じ場所でじっとしているのです。 不思議に思った村人がそこを訪れると、温泉がこんこんと湧き出ているではありませんか。白鷺が飛び去ったあとには、一体の薬師如来像が残っていました。なんと、白鷺は村の人たちを哀れんだ薬師如来の化身だったのです。 』
白鷺はこの地方にとって特別な動物であり、現在も銅像や地元銘菓の名前などにもその姿は残っています。 有馬・草津に比べると、やや個性の面で見劣りのする下呂温泉ですが、なんとも心が落ち着きあたたまる秘湯ではないでしょうか。
温泉の効能は、体を癒すことだけにあらず。なのです。 |
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