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温泉ロマンで心もほかほか

草津、有馬、下呂。
日本が誇る天下の三名湯なり

温泉はお年寄りの道楽、そんな考え方をされていたのは既に遠い昔のこと。近年では年配の旅行者だけでなく、若者の間でも当たり前のように親しまれています。温泉はひとつのエンターテイメントとしての地位を確立した、と言っても過言ではないでしょう。
ところで、"日本三名泉"という言葉をご存知でしょうか?
徳川家康・秀忠・家光・家綱の四代の将軍に仕えた儒学者、林羅山(1583〜1657年)は、自身の詩文集の中でこう記しています。
『我が国は諸州に温泉を多く有す。その最も著しいものは、摂津の有馬、上州の草津、飛騨の湯島(下呂)、この三か所なり』

有馬温泉といえば、金泉と呼ばれる濃い塩分と多くの鉄分を含んでいる赤茶色の温泉と、銀泉と呼ばれる透明なラジウム温泉や炭酸泉が湧いている個性的な温泉です。そして草津温泉といえば、乳白色のにごり湯に、湧き出る源泉と湯の花が見られる"湯畑"、お湯の温度を適温に下げる"湯もみ"など、温泉町としての雰囲気づくりが楽しい名湯です。
下呂温泉・林羅山の像
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下呂温泉・白鷺伝説

ロマンの秘められた温泉
それは心を癒す天下の名湯

林羅山は、さらに著書の中でこう続けています。
『今、有馬、草津は広く世の知るところなり。下呂は古来の霊湯たること、遠く知るもの少なしといえども、入湯する人はその験を得ざることなし』 羅山は下呂を無名の名湯として称えたのです。
また、下呂温泉には白鷺(しらさぎ)と呼ばれる伝説が伝えられています。
『古い古い昔より、下呂には豊かに湧き出る温泉がありました。ところがある日、大地震がおこり、下呂のお湯がぱったりと止ってしまったのです。村の人たちはたいそう悲しみました。
そんなある日、一羽の白鷺が益田川の河原に降り立ちました。白鷺は、あくる日もその次の日も同じ場所でじっとしているのです。
不思議に思った村人がそこを訪れると、温泉がこんこんと湧き出ているではありませんか。白鷺が飛び去ったあとには、一体の薬師如来像が残っていました。なんと、白鷺は村の人たちを哀れんだ薬師如来の化身だったのです。 』

白鷺はこの地方にとって特別な動物であり、現在も銅像や地元銘菓の名前などにもその姿は残っています。
有馬・草津に比べると、やや個性の面で見劣りのする下呂温泉ですが、なんとも心が落ち着きあたたまる秘湯ではないでしょうか。

温泉の効能は、体を癒すことだけにあらず。なのです。
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近代温泉にはあり得ない
古来より伝わる野天温泉

比較的レジャー化のすすんでいない下呂温泉には、昔からある大衆浴場が今も残っています。白鷺伝説の名を取った大衆浴場「白鷺の湯」もその一つですが、(大人300円で入浴できる。安い!)さらに下呂に住む者ならば必ず知っている源泉スポットがあります。
下呂駅から1分ほど歩くと、益田川を横切る"いで湯大橋"が見えてきます。そのちょうど下、川原に石でかこまれた噴泉地があります。川原から立ち上る湯煙は、温泉の情緒を美しく醸し出しています。それはまさに天然の野天温泉です。(もちろん入浴は無料) 川原の温泉から見上げる深緑に囲まれた360°のパノラマ、空を飛ぶ鳥に白鷺の姿を重ね、温泉に秘められたロマンに想いを馳せるのも良いでしょう。きっとあなたの小さな悩み事などすべて吹き飛ばしてくれるのではないでしょうか? その代わり、橋の上の通行人からまる見えになってしまいますが・・・。

実はこの野天温泉の成り立ちは、源泉から汲み上げたお湯の余りを捨てていた、ため池だったそうです。しかしいつしかそれが利用されるようになり、有志によってお湯の入れ替えや清掃が行われるようになったのが現在の噴泉地であったため、正規の公衆浴場として認知されているわけではないそうです。
下呂温泉・白鷺の湯・野天風呂