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ジワリジワリと注目される日本酒 「長期熟成古酒」ってどんなお酒? |
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日本酒(清酒)は「長い間、飲まないで放っておくと酢になる?」と思っていませんか? 酢とは言わないまでも「時間が経てば、味、香り、品質が落ちるのでは?」と言う人がほとんどでしょう。だから、日本酒の飲み方は、造られてすぐの新鮮なお酒を早めに味わうのが、多くの人の基本になっています。
発酵や微生物、細菌知識の乏しかった時代には、しばしば酒が腐敗してしまうこともあったようです。が、衛生管理の行き届いた製造行程で造られる現代の日本酒は、時間が経っても酢になることなど、まずありません。むしろ、寝かせることによって、思いもかけない深い味わいにまで熟成するほどです。
実は、日本酒の歴史をひもとくと、ずっと以前は、ウイスキー、ワインなどと同様に、長い熟成期間を経た古酒が、新酒とはひと味もふた味も違うことから珍重されて飲まれていました。文献にも残っています。それが明治時代〜戦前、戦中、戦後にかけて、とんと姿を消してしまいます。理由のひとつは、ときの政府が課した「造石税」というベラボウな酒税の影響です。さらに、原因不明の腐敗といった酒造り特有の高リスクから、長い年月手間ひまかけなければならない「長期熟成古酒」の製造は敬遠されるようになっていくのです。
そんな「熟成古酒」が、昭和40年代ごろから、じょじょにですが、見直されるようになってきました。全国各地で、熟成に適した酒を寝かせておく酒蔵が増えてきたのです。そうして時を経た近年に入り、ようやく、10年モノ、20年モノの古酒を扱う酒販店、居酒屋、愛好家たちも増え、ジワリジワリとではありますが、世の中に浸透するようになってきました……。 |
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