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「サイエンスカフェ」で頭脳を磨く

「科学」を身近に感じる新しい試み
全国各地で「サイエンスカフェ」開催

 全国各地で「サイエンスカフェ」なる試みがジワリジワリと広がりつつあります。「科学」と「喫茶店」、いっけん結びつかないようなふたつをドッキングさせた催しは、いまから8年ほど前、英国でスタートしました。研究室から飛び出した科学者が、市民でにぎわうカフェという会場で、楽しい雑談でもするかように「科学談義」を始めたのが、広く話題となったようです。

 日本でも、2005年あたりから全国各地の喫茶店で急速に増え続け、新たなムーブメントのひとつとしてひそかに注目を集めています。従来の科学講演会やシンポジウムといった堅苦しい催しとは異なり、日常的な会話で「科学」を身近に楽しむ。これが「サイエンスカフェ」の大きな特徴です。

 「遺伝子であるDNAは……」と聞いたとたん、だれもが「難しい」、「ついていけない」と顔を背けたくなりがちです。ところが「若さを保つ秘訣を教えましょう」となればどうでしょうか。きっと多くの人が「おもしろそう」、「聞いてみたい」となるはずです。自分の身体のこと、体力のこと、若さの秘訣といった身近な話を聞くことで、自然に「遺伝子DNA」のことも勉強できます。これが「サイエンスカフェ」です。コーヒー、紅茶を片手に、ゆったり優雅にくつろぎながら、科学者の方々の話に耳を傾けていれば、いままで知らなかった「科学の世界」が、知らず知らずのうちに身につきます。

 家の近所で「サイエンスカフェ」を見かけたなら、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと、ふだんと違うコーヒーブレイク、そして、まったく新しいコミュニケーションの時間を過ごすことができるはずです。
カフェ
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科学未来館

コーヒーのほろ苦い香に包まれながら
楽しい会話で「科学」に染まる

「サイエンスカフェ」の流行に火をつけたのが、ちょうど「科学技術週間(4月17日〜23日)」に照準を合わせて開催された、その名もズバリ『サイエンスカフェ』と銘うったイベントでした。これは『日本学術会議』、『独立行政法人科学技術振興機構』の主催によって開かれたもので『文部科学省』、『日本科学未来館』はじめ20以上の団体が協力のもと、北は北海道・札幌から、南は沖縄まで、全国21のカフェが会場となって展開されました。毛利衛氏(日本人宇宙飛行士として話題・現在は日本科学技術館館長)をゲストに招いて行なわれた沖縄では、会場となった「カフェユニゾン」に入りきれないくらい多数の客が詰めかけるほどの大人気だったということです。

 主な内容は「少子化を科学する」、「宇宙時代の異文化コミュニケーション」、「地球温暖化問題」などのテーマで、客と科学者がカフェという場所で自由に語り合うことで「科学」を身近なものに感じてもらおうというものです。イベントとしての『サイエンスカフェ』は、4月23日で惜しくも終了となりましたが、その後も自分たちで独自に科学者を招き、オリジナルの「サイエンスカフェ」を開催するカフェ、喫茶店、団体などがあとをたたず、少しずつではありますが、全国的に定着する動きを見せています。また、全国的なイベントとしての『サイエンスカフェ』第2弾も、来年の「科学技術週間」に向け、検討されているということです。
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「サイエンスカフェ」なら、
科学者の言葉もやさしく聞こえます

「ふだん用いる専門用語なら簡単に解説できることが、日常のふつうの会話でやさしく解説するとなると、これがなかなかむずかしい。自分も大いに勉強になる」

 科学者にとっても、「サイエンスカフェ」は、客と同じく、新鮮な発見、刺激があるとのことです。場所によって多少の違いがありますが、「サイエンスカフェ」では「専門用語を用いない」、「科学者の方々を『先生』と呼ばず『○○さん』と名前で呼ぶ」などといった暗黙の決まりごとも珍しくありません。これは、科学者と一般の客の距離をより近づけるための工夫のようです。講演会や発表会のように、科学者が一方的に話すだけでなく、客の側も質問したり、言葉のキャッチボール、会話を楽しむことで、よりいっそう「科学」への理解を深めることができるのも「サイエンスカフェ」ならではです。

 科学者と一般の客との中間に、会話の促進役として『ファシリテータ』という人が存在するのも「サイエンスカフェ」のユニークなところ。イベント全体の司会進行はもちろん、客からの自由な質問を促したり、会話のキャッチボールをしやすくするための触媒的な役割で「サイエンスカフェ」にとっては重要な存在となります。つい専門的なトークになりがちな科学者の言葉に「待った」をかけるのも『ファシリテータ』の大切な役目だとか。

 その場所は、喫茶店、カフェなのですから、お茶を飲みながら楽しく会話するのは当たり前。そこに「科学」というちょっと新たなテイストを持ち込んだことに「サイエンスカフェ」の意義があります。
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