日刊 勝ち組スポーツ・勝ちスポ!

キミは、ふんどしを締められるか!

浅草

ふんどしを探し、浅草へ
祭り用品の間に六尺はあった

浅草には浅草寺の門前に、仲見世通りという商店街が広がっている。芸者のカツラとか浮世絵のTシャツとか、日本に来た外人の誤解をさらに深くするようなみやげ物が売られている。

ここにはある、そう直感した。真ん中に歌麿がプリントされているかもしれないが、必ずある。

透明傘のように木刀がバケツに突っ込んである店で、ふんどしがどこで売られているかを訊ねた。せんべい屋で聞けと言われた。浅草に詳しい人らしい。せんべい屋へ行き、店先でせんべいを焼いていたので1枚買い、ふんどしを売っている店はないか? と訊ねた。角刈りにちょび髭のオヤジは思案した後、古着屋が並ぶ通りを教えてくれた。

せんべいをかじりながら、古着屋通りを歩いた。掘っ立て小屋が並び、ステージ衣装のようなキラキラしたドレスや軍服が売られていて、その服の下に老人が座っている。薄暗い中、目が光っている。ふんどしありますか? なんて怖くて聞けない。

靴下3足200円のダンボール箱を見つけたので、靴下を買った。タバコをくわえたオバサンに、ふんどしがどこで買えるか聞いてみた。オバサンはこちらの顔を見もせず、アゴで方向を指した。祭り用品の店があるそうである。

靴下の入ったコンビニ袋をぶらぶらさせながら歩くと、あった。祭りの店だ。ショーウィンドウでは、お神輿の回りをマネキンが踊っていた。中に入ると、半被や雪駄に囲まれ、棚が丸ごと1つ、ふんどしだった。浅草に来て良かったと思った。
パワーストーン

六尺ふんどしで知ったアイデンティティ
近代と現代の鍔迫り合い

手ぬぐい3本分でふんどし1枚なのだそうである。いろいろな柄があった。1枚2,000〜4,000円ぐらいだ。店の人によると、自分で手拭いの反物を買って使う人も多いという。何を選べばいいのか。無地というのも芸がない。ふんどしらしさ、六尺らしさが柄にも欲しい。意外とシックな柄が多い。手拭いと同じ反物だからか。

鳥獣戯画にしようか招き猫にしようか迷ったが、ふと目に入った龍の柄の江戸小紋を選んだ。薄茶色の地に黒で染め抜かれた昇り龍。派手である。それ自体、すでに祭りだ。

自宅に持ち帰り、鏡の前で六尺ふんどしを締めてみた。二メートル近い一枚の布を締めるのだ。越中ふんどしよりもずっと締め方が難しい。一方を肩に回しかけ、一方を股間に通す。そのまま腰を一周させた後、臀部で交差させる。そこでグイッ、だ。これは締まる。まさにふんどしを締めるという感じだ。

越中ふんどしがトランクスなら六尺ふんどしはブリーフだ。グリップ力が違う。

次に肩に回した部分を前に垂らし、そちらも股間に通して後ろでキュキュキュッだ。腰にねじり込んで完成した。よし! 鏡に向き直った。今のオイラは、ちょいといなせな若衆というところか?

唖然とした。似合いすぎだ。これぞ日本人。短足ガッチリ和の体なのだ。今すぐにでも太鼓を叩き始めんばかりである。その上、龍の顔が絶妙に中心でジャパネスクだ。まさに昇り竜だ。そして振り向けば尻だ。むやみやたらとパンパン叩きたくなるではないか。

気に入った。今日はこのまま締めておこうと、ジーパンを履こうとした。キツイ。履けない。無理やり履こうとすると、食い込む痛みに声が出た。

着物の下にパンツはあっても、ズボンの下にふんどしはツライ、そういったことがわかったのである。
六尺ふんどし