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エキゾチックリゾート 長崎

エキゾチックを歩く東山手・南山手

 私は日本中を旅してきたが、長崎ほどエキゾチックな街は他にないと思う。江戸時代、日本が鎖国政策をとっていた間、外国貿易の場として定められた長崎。オランダやポルトガルと外交があった長崎は異文化が同居する不思議な街だ。時を経た洋館、教会、中華街、花街。これらが街の中に一体となっている。私は長崎に住んだことはないが、訪れるたび何故か懐かしくすら感じる。

 長崎は本当に坂の多い街だ。ひとつひとつの坂に他の街では感じられない気品がある。長崎を代表する坂といえばオランダ坂だ。石畳のなだらかな坂道をゆっくりと登ると東山手の丘。東山手は開国に伴い、最初に外国人居留地として許可された地区で、洋館が風景の中に溶け込んでいる。

 エキゾチックな長崎を感じることができるのが南山手地区。国宝となった大浦天主堂に足を踏み入れると、静謐で清らかな空間にステンドグラス越しの優しい光が差し込む。日本では珍しくキリスト教が生活に根ざした長崎で、長い間祈りを捧げられてきたのだろう。光越しのステンドグラスがなんとも美しい。他にもグラバー園など異国情緒に出会えるエリアだ。
大浦天主堂
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長崎新地中華街

色鮮やかな新地中華街

 長崎の中の異国はオランダやポルトガルだけではない。当時、長崎では中国との貿易も行われており多くの唐人屋敷があった。その中国も長崎の街には息吹いている。長崎市街の中心から少し歩くとひときわ鮮やかな光を放つのが新地中華街。横浜の中華街と較べると規模は小さいものの、赤や黄色で彩られた色彩は見る者をはっとさせてくれる。春節祭には幻想的な灯りをともす人気スポットだ。

 中華街に来たら長崎名物ちゃんぽんを食べなければ! ちゃんぽん発祥の店は四海楼だが、新地中華街の中華料理店にもちゃんぽんを食べられる店が多い。なかでもおすすめは江山楼。海に囲まれた長崎の豊富な魚介類からとった白濁したスープは味わい深くまろやか。ラーメンよりは太めの丸麺の上には、魚介と野菜の炒め物がたっぷり乗せられる。食べ終わると満面の笑みで溜息。本場のちゃんぽんは一度食べるとやみつきになってしまう。

 長崎に息づく中国文化を体感するためにぜひとも訪れて欲しいのが「孔子廟」だ。明治26年(1893年)、当時の中国・清国と在日華人が協力して、伝統美あふれた「孔子廟」がつくられた。その色彩美・建築美のすばらしいこと。圧倒されるくらいに鮮やかで青や赤や黄色が美しく色を放つ。見応えのある中国建築としては国内でも有数といえるだろう。色の洪水にしばし浸るのもいい。
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文人墨客に愛された花街・丸山

 異国情緒が印象的な長崎だが、その中にも日本的な美しさを残している。かつて江戸の吉原、京の島原と並ぶ、日本三大花街のひとつだったのが丸山。この界隈の魅力を再確認させてくれたのが映画「長崎ぶらぶら節」だ。原作はなかにし礼の直木賞受賞作。伝説の芸者愛八を吉永さゆりが、歴史学者の古賀十二郎を渡哲也が演じた。長崎に伝えられる「ぶらぶら節」を訪ねて歩くふたり。花街・丸山を舞台に愛八と古賀との恋の行方を描く。ひたむきに生きる愛八の姿と古賀への一途な恋心が胸を打つ。

 細い路地、古い石畳、どこからともなく流れてくる三味線の音。見返り柳や思案橋。映画の中の愛八のように凛とした芸者が歩いてきそうだ。「ぶらぶら節」は諏訪神社で行われる長崎の大祭「長崎くんち」の際に歌われるという。

 映画の中で芸者同士の喧嘩のシーンがあるが、この舞台になったのが「史跡料亭 花月」。この花月は歴史ある老舗料亭であり、坂本龍馬をはじめとする幕末の志士や、多くの文人墨客が訪れたことでも知られる。1642年創業の「史跡料亭 花月」は今でも料亭として営業している。花街の名残を残す料亭でゆっくりと過ごすのもいい。
眼鏡橋