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大人の嗜み-スペインワイン

情熱のワイン その歴史

昨今のワインブームでイタリアやフランスのワインにうんちく垂れることのできる輩は多いだろう。しかし、何か忘れてないか?それはスペインワイン。

スペインのぶどう生産高は世界一。イタリア産やフランス産に押されてイマイチ影の薄いスペインワインだが、その歴史は古く、紀元前にまでさかのぼることができる。まずはギリシャ、フェニキアに支配されていた頃。この頃に東海岸全域でぶどうの栽培とワインの生産が始まる。そして、ローマ帝国に支配されるようになってからはスペイン全土で生産が行われ、帝国領内に流通するようになる。8世紀になりイスラム帝国に支配されると、禁酒の習慣から一時生産は停滞するが、それでも高利益の輸出品として細々と生産は続けられた。そして、レコンキスタ(国土回復運動)後の大航海時代。スペインは広大な領土を手にして、巨大なワイン市場を手にすることになる。その頃にはワイン交易に関わる英国商人が積極的に南スペインに移住するなど、イギリスとの取引も増えて行く。そして19世紀後半。フランスで害虫が大発生しぶどう園が壊滅状態になってしまったため、多くのぶどう農家やワイン生産業者がスペインに移住した。それによりスペイン国内にフランスの先進醸造技術などが導入され、ワイン産業が一気に近代化されることになる。そして、内戦後の1960年代以降は組合も生まれてぶどうの品種改良などを積極的に行い品質も向上。80年代以降には「普段の食卓のワイン」の生産地からも高級ワインが生まれるようになり、スペインワインは現在も着々と進化をとげている。実は、今一番「熱い」のがスペインワインなのだ。

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カヴァ

カタルーニアの甘美な刺激 カヴァ

フランス国境に近い、地中海沿岸地域カタルーニア州。ガウディの建築などで知られたバルセロナが州都だ。この地方はフランス語に似たカタラン語を話すだけでなく、町並みもなんとなくフランス風。バターをふんだんに使ったクロワッサンや、生クリームでデコレーションされたケーキ、ブイヤベースの料理等々、食卓もフランス風だ。従って日常の食卓でのワインの浸透度も高いようだ。

さて、バルセロナから50kmほど南下したペネデス地区は、最近日本でも人気のスパークリングワイン「カヴァ」の産地。数多くのワイナリーがワインを生産している。この地域は気候が温暖なため、ぶどうがよく熟し甘くなる。だからワインも酸味が柔らかくまろやかな味に仕上がるのだ。二次発酵を瓶内で行うというフランスシャンパーニュと同じ伝統製法で造られているカヴァは、口に含むと、きめ細かな泡が優しく口中を刺激する…。そして徐々にフルーティーな味が広がっていく。なんともセクシーな味わいだ。世界中の人を魅了するのも納得である。
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老舗の味の生産現場1

カヴァもいいが、赤も白もロゼもいい。いっそのこと全部造っているところを見てみたい。ということで、カヴァの産地と同じペネデス地区にあるトーレス社のワイナリーを訪れてみた。こちらでは予約制で見学ツアーを受け入れている。

バルセロナのカタルーニア広場駅(Placa de Catalunya)もしくはサンツ駅(Estacio´n de Sants)から電車で40分ほどの町ヴィラフランカ デル ペネデス(Vilafranca del Penede´s)。のどかな田舎町の駅といった風情だ。駅からタクシーで15分ほどのところ、ぶどう畑の真ん中にトーレス社はある。社屋はとても近代的で中に入るとほんのりワインの香りが。こんな所に勤めていたら毎日ほろ酔い加減で楽しく働けるんじゃないか、などと不謹慎なことを考えてしまう。

まず、ツアーの始まりはビデオ鑑賞から。ミニシアターのスペースでトーレス社の歴史なんかを見せてくれる。トーレス家は300年以上に渡りブドウ生産やワイン醸造に関わってきた由緒ある家柄。会社は1870年創業。現在はアメリカやチリでも生産を行う老舗ワイナリーだ。映画が終わるとツアーの一行は薄暗いトンネルの中へ…。そこでは「ワイナリーの四季」といった映像を、なんと「香り付き」で鑑賞。例えば春の映像を映し出す時には花の香りが、夏にはぶどうの香り、といった具合だ。なんとも粋な演出ではないか。そして、徐々に照明が明るくなると、そこには、なんと、昔デパートの屋上にあった電車のような電気カーが登場!これに乗って敷地内のぶどう園、工場、ワイン貯蔵庫などを回ることになる。
トーレス社