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体験!発見!ジビエ料理の世界

西欧の宮廷でも珍重されて来た
「本物」が解る人の料理

 現在、地球上で最も多彩な食文化を堪能できる場所。その一つは、他でもないこの日本でしょう。和食はもちろん中華、フレンチ、イタリアン、その他諸々、日本で食べられない料理を探す方が難しい程です。

 そんな恵まれた状況の中でも、果てしないのが人間の探究心。日々豪華な食事に舌鼓を打っていても、いつしか新たな味覚、刺激を欲している方も多いのではないでしょうか?そんな方におススメなのが、最近ジンギスカンに続く肉料理ブームとして注目されている「ジビエ料理」です。

 「ジビエ」(gibier)とはフランス語で「狩猟で得た獣や野鳥の肉を食べる事」を指し、英語では「ゲームミート」(game meat)とも呼ばれます。特に、古来より狩猟の盛んな西欧では一つの文化となっており、中世からルネサンス期の宮廷では狩猟の方法から屠殺、調理法に至るまで厳格な作法が有りました。晩餐会においては、料理を味わうと同時に「狩猟の獲物を披露する」事が重要な要素となる場合も多かったと言われています。

 家畜と比較して、野生の鳥獣は脂肪が少なく肉質が締まっており、また生息地(=食べ物)の違いにより微妙な風味の違いも楽しむ事が可能です。レストランでも高級メニューに位置づけられ、「本物」の解る上流階級に珍重されて来た料理。それがジビエなのです。
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ももんじや

両国の老舗で
和製ジビエにチャレンジ!

 さて、この日本においても野山の鳥獣を食する「和製ジビエ」とでも呼ぶべき料理が古くから親しまれています。今回は、両国に9代続く猪鍋の名店「ももんじや 」さんへお邪魔して来ました。まず驚いたのが、店の前に逆さづりにされた猪の哀れな姿!嫌が応でも、未知なる世界への期待感が高まります。

「ももんじや」では猪を中心に鹿、狸などの肉料理が出されており、猪肉は狩猟で得られた天然物、それも兵庫、三重、滋賀県産のものしか使わないというこだわり様です。お店によると、猪は脂肪の多いバラ肉が最も美味であり、煮れば煮る程味が良くなるとの事です。

 まずはお店の一押し「猪鍋」に挑戦しました。肉は、赤身の部分と脂肪の部分がはっきりとコントラストを描いており、非常に鮮やかな印象です。これを味噌味の汁で煮込んで、いよいよ試食。肉自体に脂が乗っており、赤身部分はやや硬めな豚肉という印象です。味噌味との相性は抜群で、非常に美味!

 お次は「鹿鍋」。鹿肉は脂身が無く、ほぼ赤身で占められており、ぱっと見は牛タンに似ています。こちらは醤油ベースのすき焼き風で、臭みも無くあっさり。正直な所、このお店の醍醐味を味わうなら猪鍋の方がおススメです。
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自然の恵みへの感謝
飽食の現代にこそ存在する「価値」

 続いては、お椀で出てくる「狸汁」。これは独特の獣臭がして、噛めば噛むほど臭みが増す感じです。大好物の人と、苦手な人にはっきりと分かれそうな何とも言えない味でした。口直しにわさび醤油で頂く「鹿刺し」と、ポン酢でさっぱりと仕上げた「鹿たたき」を。これは馬刺しより癖が少なく非常に美味しい!

 そんなこんなで、様々な刺激を味わいつつも野生の味をたっぷりと堪能できたももんじゃでの食事でした。興味を持たれた方は、是非ともお店に足を運んでみて下さい。両国駅から徒歩5分、ライトアップされた猪の看板が目印です。

 ジビエ料理では、今回体験取材した様な獣肉の他にも様々な野鳥、そして兎の肉などがよく食されます。野鳥は、ポピュラーなカモ、ウズラといったものの他、キジ、ハト、ライチョウ、シギなどが美味とされています。機会があれば、こういった野鳥の料理も追ってまたご紹介しましょう。

 「山の命」を頂く事に他ならないジビエ料理。それは新たな美味と刺激を得ると同時に、自然の恵みへ改めて感謝する事に他なりません。様々な「美食」に埋め尽くされた飽食の現代にこそ、感じ取るべき「価値」がそこには存在しているのではないでしょうか。

『ももんじや』
所在地:〒130-0026 東京都墨田区両国1-10-2
交通:JR総武線両国駅西口 徒歩5分
電話:03-3631-5596
ももんじや